主にGWを使い、フランスからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼路“カミーノ”のラスト114キロを6日間かけて歩いてきました。
一日およそ20キロ。
歩ききれるか?と不安でしたが、今年に入りAちゃんと数回こなした都内での予行演習の成果か、なんとか踏破することができました。
巡礼初日は気温も10度を切り、雨は降るは風は吹くはで激寒。4月も終わりだというのに、少し離れた山では雪が積もり、30人の凍えきった巡礼者たちがレスキュー隊によって助け出された、とのニュースまでありました。私も寒さで体調を崩し、喉も痛むし、翌朝には偏頭痛まで出てくる始末。
2日目朝にして早くも、「私、もしかしたら今日タクシー呼んじゃうかも。。」と士気を下げる弱気発言。(←徒歩か驢馬以外の移動手段を用いると、巡礼証明書がもらえなくなる。。。)それでも、ひとまずポンチョを被って出発。程なくして、太陽も少しばかり出てきてはまた引っ込んで、と、この日はなんとか一日天気と身体も持ちこたえてくれました。
3日目以降はさらに天候は好転。のど飴舐め、鼻をかみ、南京虫に刺されつつも、
足取りは軽くなっていきました。
詳しく語るとどんどん文章が伸びていってしまいますが、、、歩いていたスペイン北部“ガリシア地方”は、ざっくり言ってしまえば自然豊かな酪農地帯。かつての北海道での牧場生活を思い出し、懐かしさと幸福感に満たされながら歩みを進め、いつもよりも五感が鋭敏になっていくような感覚をおぼえました。
一方、歩くペースはゆっくりだったのでかなり多くの方に笑顔で「Buen Camiño!(良き巡礼を!)」の声をかけられつつ抜かされていきました^^
(中略)
終盤の5日目、6日目頃には、「あと少し!」というゴールが近づく喜びとともに「もうすぐ終わっちゃうんだ。。。」と寂しさも感じ始め。「もうこのままずっと歩いていたい。次はフランスからスタートしてピレネー越えて800キロか。」と夢見だしました。
とは言え、今回の巡礼は114キロで終着点。
ちょうど日本が平成から令和に切り替わる頃、晴天の下、サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂にたどり着き、巡礼の証明「コンポステーラ」を押しいただきました。辿り着いた大聖堂前の広場で、沢山の仲間たちが達成感に満ちて座り込む光景を、この先忘れることはないでしょう。私たちもしばし広場に無言で座り込み、その後、遠く離れた日本にいるAちゃんへ向けた報告動画を撮影、(キリスト教徒ではないものの)自分たちなりに大聖堂で祈りを捧げました。
最後は、巡礼旅の終わりを飾るべく、「この世の果て」とも呼ばれるフィステーラ岬へ。先に寄った村、ムシアでは寒々と曇っていたのに、フィステーラでは幸運なことに太陽が姿を現し。強い風を受けながら、生まれて初めて大西洋に沈む夕日を眺めました。
きっと、人生最後に振り返ったとしても、この日は指折りの満ち足りた日。
しばらくの間、(キリスト教ではなく)カミーノ旅の布教をしてしまいそうです。