日々雑感

元牛飼いの会社員です。時折、考えたことを書いています。

【FB2015年10月11日投稿を転載】マッターホルン博物館

スイス旅行中、ツェルマットが悪天候だった時に暇つぶしに寄ったマッターホルン博物館。
予想外に興味深かったので、遅ればせながら、備忘のためにも記しておきます。

日本でもその名をよく知られるマッターホルン
霊峰であったことも関係し、1865年まで登頂されることがありませんでした。そして、その初登頂が波乱含み。
それが、このマッターホルン博物館のメインテーマです。

・初登頂を果たしたのは、エドワード・ウィンパー他3名のイギリス人登山家達と、スイス人ガイド3名(タウクヴァルター父子、他1名)の計7名。
・しかし、登頂を果たした後、ウィンパーとタウクヴァルター父子以外の4名は滑落死。滑落した4名との間でザイルが切れたがゆえ、3名は助かります。そして、「タウクヴァルター父は、自分たちが助かるために故意にザイルを切ったのではないか?」という疑惑も出て、裁判沙汰に。
・最終的に刑事責任は否定されたものの、疑惑故に、タウクヴァルター父子の人生は暗いものに。一方、(自己PRの上手い)英国人登山家ウィンパーは、自著も出版し、一躍スターに。
(→これには、英語で大々的に情報発信できる登山家ウィンパー⇔スイスドイツ語の一方言しか話せないしがない登山ガイド タウクヴァルター父子、という発信力の差も。)
(→また、当時のツェルマット村は英国人登山家の落とすお金で潤っていたので、真実であろうとも、英国人登山家を敵に回す発言をしづらかったとも。)

そんなこんなで、ウィンパー側の主張が正史のように扱われることとなり、それに対してタウクヴァルター父子、ツェルマット村側は相当悔しい思いがある模様。

そんな思いがたっぷり詰まった、博物館展示、非常に興味深かったです。。。オーディオガイドも、まず最初に渡されるのはタウクヴァルター側の視点のもの、希望すれば、後からウィンパーが語り手となったバージョンも聴かせてもらえる、という凝りよう。
今後ツェルマット観光に行かれる方にはぜひオススメしたい博物館です♪

http://www.zermatt.ch/en/museum