【FB2015年4月4日投稿を転載】古賀義章氏講演会『向こう側から見たオウム』感想

先日参加させていただいた、Courrier Japon創刊編集長 古賀義章氏による書籍の出版記念講演の所感。テーマはオウム。
当日は開始時間10分前に講演の存在を知り、六義園の枝垂桜をいったん諦めて、会場へ。

ご講演内容は主に、古賀氏が取材を通して入手された膨大な数の写真資料や、元信者への長時間インタビュー等に基づくもの。
扱われているテーマの重さ・長期取材を行われたことから察せられる氏の想いの強さに反し、語り口は終始軽妙。そこから逆に、「一体何がこの人を長期にわたるオウム取材に駆り立てたのだろう」と不思議な思いも抱き。それについては、恐らくはご著書の中で明かされているのかもしれず。

私自身は、オウム真理教それ自体というよりも、オウム真理教(的な存在)に心を惹かれる・惹かれた・惹かれ得る・惹かれ得た、自分含め現代日本人の心象風景に興味を感じているため、今回提示された資料を興味深く拝見・拝聴。

他、個人的に講演会で印象に残った光景。

古賀氏が、(資料の一部として)麻原の説法テープを流す際などに、「別に麻原ファンじゃないんですけどね」等と冗談めかし、それに応えて私たち聴衆が「あはは。」と笑う、ということ数度。
これは、「我々は確かに、こっち側(=正常な・マトモな世界)に居る。あっち側(=オウムやカルトの世界)とは関係ないよね。」ということを、毎回、話者と聴衆で確認・安心する儀式みたいなものだなぁと。

こういうテーマについて不特定多数に語られる場合、(おそらく社会コンテクスト的に?)どうしてもこういう”儀式”を行う必要が生じてくる、ということはやはり、”こっち側”もしくは”こっち側に属する私たち”には、”あっち側”への恐怖があるのだなぁ、と改めて感じ。

帰りの電車の中ではその辺りも含め、友人と感想をシェアし、帰路に。
価値ある晩でした。感謝。