日々雑感

元牛飼いの会社員です。時折、考えたことを書いています。

【Vicom2010年 07月12日投稿を転載】 dialogue in the dark

(※dialogue in the darkという暗闇を体験するイベントの体験記です。イベントの流れが分かってしまう部分もあるので、参加予定で・事前情報を避けたい方は読まれないほうがいいかもしれません。。)

日曜に、vitalのM子さんと私と私の母でdialogue in the darkという暗闇を体験するイベントに行ってきた。(母まで参加したのは偶然の巡り合わせ。)

場所は神宮前。ビルの地下階に、受付ラウンジとそのドア一つ隔てた向こうに広がる暗闇。

各回定員8名に、(暗闇のエキスパートとも言える)視覚障害の方が1名ガイドに付く。各人の持ち物は貸し出される白杖のみ。薄暗がりの部屋から段階を経て漆黒へ。

怖い。

暗闇に入った途端、どっちに行ったらいいのかわからない。
部屋の広さも分からないし、どちらの方向に空間が広がっているのかも分からない。隣にいる母やM子さんから手を離したら、たった一人取り残されてしまうような気がして、手を離せない。
鼻をくすぐる草の香りだけが少し気持ちを落ち着かせる。

そんな中、“障害者”であるはずのガイド役ヒデさんは暗闇を自在に動く。見えないのは同じはずなのに、彼はそれぞれの声、杖の音などでみんなの居場所をかなり正確に把握している。

ツアーは続き、2つ目・3つ目の部屋へ。草があったりブランコがあったり、テントがあったり。白杖も上手く使えないし、怖いんだけど、何となくチームのみんなとの一体感?を感じてきて楽しくなってくる。一蓮托生、運命共同体、みんなで乗り越えて行こう!みたいな。

終わり近くの休憩室では、みんなで飲み物を飲んでお菓子を食べる。まだ暗闇。暗闇に入る前まで見知らぬ者同士だったのに、参加者7名+ヒデさんで会話が弾む。おんなじ冒険をした仲間、もしくは戦友みたいな気分。ウィルキンソンジンジャエールも心なしかいつもよりも美味しい。

最後は明るい部屋にもどる前に参加者同士で握手。他の参加者の提案だったんだけど、ヒデさんいわく、こんなチームは初めて、と。わぁ、さすが我が戦友たち♪

暗闇を出ると、薄明かりの部屋で10分程度目を慣らす。
すると急に、ヒデさんが視覚“障害者”であったことを、皆無意識に思いだす。明るさが、暗闇では“強者”だったヒデさんを、こんな簡単にも“弱者"に転落させてしまう。さっき私たちが明所から暗闇に移った際、全く逆のことを体験したように。

そして最後の最後、薄明かりの部屋から、もとのロビーへ。
ようやく現実世界に帰ってきた。。

約1時間半、すごく新しい体験ができたなぁ。
チケット代5000円、ていうのは評価の分かれる値段設定かもしれないけれど。。(主婦感覚の強い母は、1時間半楽しみながらも、「暗闇歩いて5000円!あらあらまあまあ。」という感じ。どっちかというと「経験はpriceless」な私は、満足。)

この日記を読んで下さったvitalの「経験はpriceless」派の皆さん、ぜひ行ってみてくださいね♪

(dialogue in the dark ウェブサイト:http://www.dialoginthedark.com/